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スタインウェイピアノD-274とは、いったいどのようなピアノなのか? 

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皆さまもクラシック音楽などの演奏会場でよく目にするピアノがあると思います。
多くはスタインウェイピアノD-274と呼ばれるモデルですが、このピアノはいったいどのようなピアノなのか?

結論からいうと、スタインウェイピアノD-274(以下、D-274)はコンサートピアノを代表する存在であると言えます。

そこで、今回は次の3つの視点からD-274がコンサートピアノを代表する理由を解説していきます。

・圧倒的なサイズ規模

・著名なアーティストからの絶大な信頼

・コンサートホールに設置された経緯

 

圧倒的なサイズ規模

スタインウェイ全モデルの中で、奥行きや重量、鍵盤の長さなどすべてにおいて圧倒的なサイズを誇るピアノ、それがD-274です。
たとえば、一般の家庭用で最も人気のあるモデルB-211と比較してもその差は瞭然。(下記の表を参照ください)
仮に1センチ異なるだけでも響きや楽器のバランスに影響を与えるため、この差は想像以上に重要となります。

モデルD-274 モデルB-211
奥行き 274㎝ 211㎝ 63㎝
横幅 157㎝ 147㎝ 10㎝
鍵盤の長さ 約62㎝ 約53㎝ 11㎝
重量 約500㌔ 約354㌔ 146㌔

D-274はこの圧倒的なスケールにより“コンサートグランドピアノ ”という名称で呼ばれ、スタインウェイを代表するモデルであると位置づけられています。

 

著名なアーティストからの絶大な信頼

19世紀に職業としてピアニストが誕生して以来、ピアニストは自分の音楽を忠実に表現してくれるピアノを求めました。
ベートーヴェンやショパン、リストなども元は「ヴィルトゥオーゾ」と呼ばれてピアニストとして活躍した後に作曲家として名を残しましたが、
演奏家として彼らが求めたもの、それは自身の演奏表現を最大限に発揮できるピアノでした。

一方でピアノメーカーは、こうした著名なピアニストに自社のピアノを弾いてもらいブランド価値を高めようと、日夜、品質の向上や新たな特許の取得、先進的なマーケティング手法などを駆使して熾烈な競争をおこなってきました。

その結果、これまでにない革新的な構造を次々と生み出し現代ピアノの原型を完成させ、今も楽器メーカーで踏襲されているマーケティングを用いて世界中に知名度を得たスタインウェイが優位に立ち、多くのピアニストからも信頼を勝ち得ることができました。

スタインウェイを愛したアーティストを挙げるときりがないのですが、クラシック音楽の分野だけでもホロヴィッツ、ルービンシュタイン、ミケランジェリ、ポリーニといった名だたる演奏家がコンサートでスタインウェイを使用してきました。
そのほかにも、ジャズのダイアナ・クラークやビリー・ジョエルなどのポップス界を代表するアーティストも同じくライブや録音でスタインウェイを選んでいます。

 

コンサートホールに設置された経緯

1884年に発売を開始して以来、今年で140周年を迎えるD-274は、現代のコンサート文化の歴史と共に歩んできたと言っても過言ではありません。
事実として、ベルリンフィルハーモニーやサントリーホールなど著名なコンサートホールではD-274が保有され、多くのピアノコンサートで使用されています。

日本でも多くのD-274が納入されてきましたが、はじまりはNHKが放送用に求めたピアノがきっかけでした。
当時、英国のBBC(英国放送協会)で使用されていたピアノがスタインウェイだったため、それが参考となりNHKでの導入が決まりました。1950年代初頭のことです。

その後は瞬く間に全国各地の放送局にも導入され、次いで各地の主要ホールや音楽大学に納品されました。
1980年代以降のバブル期以降は小さな市町村の公民館や多目的施設にまでD-274が納品されたことで、スタインウェイがより身近な存在となりました。

 

まとめ

D-274はスタインウェイのモデルの中でも圧倒的なスケールを誇り、たくさんのアーティストから支持されてきた、ピアノの代名詞と呼ぶに相応しいモデルだと言えます。
戦後の日本でもピアノコンサートの文化を担ってきたピアノであり、これからも多くの演奏家の名演を支えるピアノといって過言ではありません。

現在、カルペディエムでは中古スタインウェイモデルD-274の販売をご案内しています。
もし、中古のD-274にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひカルペディエムまでお問い合わせください。
(詳細は当サイトお知らせの「中古スタインウェイD-274(フルコン)販売のご案内」を参照ください)

 

余談

コンサートホールのピアノについては、家庭用のピアノとは使用用途や頻度が全く異なるなるため、定期的な買い替えはホールの安定的なピアノ運営に欠かせないと断言します。
なぜなら、コンサートピアノは使用頻度が高くその都度繰り返し修理を施しており、その結果、修理が困難なピアノが増えてきました。
また、完全な修理は国内では不可能なため、新品への買い替えの必要性が迫られています。こちらはまた別の機会にお伝えいたします。

本日もブログをご一読いただき、ありがとうございました。
ピアノカウンセラー カルペディエム
山下 達也

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